2024年3月更新
~INDEX~
-難易度は標準より少し上
空欄補充タイプの選択問題が多い-
1.出題傾向
南山中学女子部の入試では、説明文、物語文、漢字が出題されます。
説明文の素材文は「命の大切さ」や「人の生き方」についての文章であることが多かったのですが、最近では2020、2021年のように、科学の性質や睡眠の重要性など、理系の文章が出題されることも増えています。常に命の大切さを主題とした文章では無くなってきていることに注意が必要です。
物語文は、受験生と同じ小学生が主人公であるものが多いですが、時折外国文学や大人を主人公にした随筆のような文章も出題されています。
漢字は全体的に難易度が高めです。送り仮名は要求されませんが、特に難しい熟語が出題されることが多く、対策が求められます。
2.難易度
難易度は全国の中学校と比較して、A(高難易度)~D(低難易度)で評価しています。
A:首都圏難関校、関西難関校のトップレベルの問題。全国正答率10%前後。海城、駒東、西大和、洛南、ラ・サールなど
B:中堅校以上で出題されるレベルの問題。全国正答率40%以下。巣鴨、高槻、同志社など
C:偏差値50以下の中学で出題される問題。全国正答率60%程度。
D:偏差値40前後の中学で出題される問題。全国正答率80%以上。
漢字:A
選択:B
抜き出し:B
記述:C
その他:B
合格者平均点:60%~70%
3.合格に必要な力
南山中学女子部は全体として問題の難易度はそれほど高くないものの、合格者平均点が高いことから、いわゆる取りこぼしが許されません。
たとえば接続語の空欄補充などの問題は、合格者は完答できる程度の難易度であるため、この辺りを落とすと合格が難しくなります。また、記述も答えることがわかりやすく、こちらも完答する必要があります(部分点では足らない)。さらに、例年語句の分野から一題程度の出題がありますが、こちらの難易度も低いので、どこから出るかは分りませんが、しっかりと準備をしておく必要があります。
出題される問題の特徴としては、とにかく空欄に何かを入れるものが多い事が挙げられます。接続語、修飾語の空欄補充だけでなく、文章の途中に入るものを選ぶ問題や、作成者が作った文章の空欄に入る文章を記述で答える問題などです。とにかく文と文のつながりを重視して作問者が問題を作っていることが伺われます。
また、素材文の分量は標準的な中学に比べるとかなり長めになっています。説明文、物語文ともに制限時間内に解ききるためには、読む速度を普段から意識することが必要になります。
まとめると、出題される問題の難易度は標準的ですが、様々な種類の問題がその分合格者平均点も高いため、どの分野に穴があっても合格が難しくなります。南山女子部の難易度の高さは、問題の難しさにあるのではなく、全ての問題に対応できる力を身につけ、それを出し切らなければならない点にあると言えるでしょう。