いつ、なにを、どれだけやるか?ということは、お子さんの状況によって様々に変わります。ただ、多くの受験生を見てきた経験から、「この時期にこれが出てきていないとマズイ」とか、「この時期にこういうことにつまづきやすい」ということがあります。
また、中学受験は塾が学習の中心になりますが、この先どういうことが予定されているのかはなかなか保護者の方には明確になりません。そこで、次のタームで何が予定されているか?を加味して、特定の時期に何が出来るようになっていなければいけないかを纏めました。
6年生(7月)
5年生と同じ7月で区切ったのはここから夏期講習が始まるからです。6年生の夏期講習は夏休みのうちのお盆期間を除く全ての日程で組まれます。土日(あるいは日曜日のみ)は休みになるところが多いですが、その休日には模試が組まれます。一日のコマ数は6コマ前後となり、予習復習にかかる労力も大きくなります。さらに、ここで行われる模試はクラス分けに直結し、これ以降のクラス変動はほとんど無くなります。つまり、全く手を抜けない40日間がスタートするということです。そこで必要となるのが
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苦手な分野の明確化
- 夏期講習で扱う分量が膨大なのでその中でメリハリをつけないと途中で挫折します。分野が明確に分かれている算理社だけでなく、国語でも自分の苦手な分野を明確にして授業や予習復習のメリハリを付けるべきです。これはできるだけ細かく分析をしてください。単に「文章題」ではなく、「脱文挿入、内容正誤、言葉の意味、文法、慣用句」といった細かな分野で明確にしておかないとメリハリがつけられません。
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課題消化の手順
- 夏期講習では多くの塾で宿題が出ます。宿題が出ない塾でも授業の復習や予習が必須になります。その時に課題を消化する手順が確立されていないと時間ばかりがかかりお子さんに大きな負担がかかったり、中途半端になったりします。国語で言えば、授業で間違えた問題や、予習で分からなかった問題をどのように処理するのかをある程度明確にする必要があります。
6年生(12月)
ついに受験まで1月弱になりました。1月には三重県の高田中学、2月に入ると愛知、金城、淑徳、椙山、南山女子、南山男子、東海、滝の受験が毎週のように行われます。12月までに出来るようになっていることは次の二点です。
また、受験の日から逆算して、シュミレーションの日を一日設けるべきでしょう。この日には受験に間に合うように起きて、お弁当や受験に必要な物一式を持って受験する中学に行き、帰ってきてから本番とほぼ同じ時間割で過去問を解きます。一度で十分ですが、当日になって思わぬ見落としに気付くという最悪の事態を避けるために出来るだけやっておくべきでしょう。
この時期に理解できていない分野は完全に潰せていなければいけませんが、そうは行かない場合も多いでしょう。その場合にも、残り時間を見つつ解決策を見つけておかなければなりません。塾の先生や家庭教師にどの部分の補充を頼むのかをリストアップしておきましょう。
また、本番直前期にやれば十分なものもあります。名古屋中学のローマ字や金城学院中学の文学史など、負担が少なく、かつ、確実に出題される分野です。これらの手つかずの部分も、いつやるのかを整理しておきましょう。
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受験日程の決定
中学受験は日程が分散しているため、様々な種類の中学を受験できます。
ここではおおまかに、(a)すべり止め(b)お試し(c)本命(d)第二志望(e)チャレンジに分けて考えます。-
すべり止め
文字通り確実に合格できる中学です。自分の偏差値マイナス5位を目安にします。上位校に合格できなければ公立に進むというご家庭の場合は不要です。
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お試し
中学受験をするお子さんの大部分は「受験」自体初体験です。いきなり第一志望の受験をするのではなく、受験がどういうものかをシュミレートする意味でも、日程の早い中学を受験することをお勧めします。難易度や通いやすさなどは二の次です。三重県の高田(ただし難易度も高いです)、愛知県の愛知・金城は練習の意味での受験の定番校です。
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本命
第一志望です。難易度、自分の偏差値、通いやすさ、校風などを考慮するのは当然ですが、意外に抜け落ちているのが出題傾向と配点です。特に配点は社会理科の低い中学がありますから、注意して下さい。
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第二志望
滑り止めではなく、親子が納得して通うことができる志望校です。南山女子に対する淑徳、東海に対する滝・南山男子、淑徳に対する金城・椙山がこれに当たります。
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チャレンジ
自分の偏差値では合格の可能性が低いけれども挑戦してみる中学です。受験では何が起こるか分かりません。各科目の難易度も違えば、お子さんに合う(合わない)出題になることもあります。
ターゲットとしては、南山女子や東海のようなトップ校、あるいは県外難関校(灘、ラ・サール、西大和、洛南、筑駒、桜蔭、開成、武蔵、麻布)です。
ここで注意をしていただきたいのは、県外難関校の場合、出題が非常に特殊なことがある点です。武蔵中学の国語は全問長文記述(字数の指定はありませんが、かなり詳しく答える必要があります)であり、麻布中学の国語は字数指定なしの記述がほとんどです。東海地方の中学では出題されない形式ですから、事前に準備をしていない場合には、そういった中学は避けるべきでしょう。
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すべり止め
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本番までにやる事のリストアップ
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受験生は誰でもそうですが、覚える端から忘れていきます。
受験の直前期には、抜け落ちた知識を補充してやる必要があります。
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受験生は誰でもそうですが、覚える端から忘れていきます。
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