2026年3月更新
~INDEX~
-記述重視は変わらないが
抜き出し、選択問題も難易度が高い-
1.出題傾向
東海中学の入試では漢字、説明文、物語文の順で出題されます。
漢字は送り仮名を求める問題が二問出題されます。
説明文の素材文は「人の生き方」や「社会のあり方」についての文章であることがほとんどです。社会科学系の素材文を出題する中学は男子校に多い傾向がありますが、東海はその典型です。
物語文は、受験生よりも少し年上の中学生~高校生を主人公としていることが多いですが、大人が主人公の素材文も見かけることがあります。物語文の文章量はかなり多く、他の中学と比べても読む速度が要求されます。
2.難易度
難易度は全国の中学校と比較して、A(高難易度)~D(低難易度)で評価しています。
A:首都圏難関校、関西難関校のトップレベルの問題。全国正答率10%前後。海城、駒東、西大和、洛南、ラ・サールなど
B:中堅校以上で出題されるレベルの問題。全国正答率40%以下。巣鴨、高槻、同志社など
C:偏差値50以下の中学で出題される問題。全国正答率60%程度。
D:偏差値40前後の中学で出題される問題。全国正答率80%以上。
漢字:B
選択:B
抜き出し:B
記述:A
その他:C
合格者平均点:50%~60%
3.合格に必要な力
東海中学は他の東海地区の中学と比べて記述問題が多く出題されます。記述で解答することができないと勝負になりませんから、記述力は絶対に必要です。
ただし、ここ数年は記述一辺倒の作問ではなくなってきています。また、東海中学の問題は非常に難易度が高いので、記述で完答することはかなり難しいと考えてください。実際、中学が発表する入試結果を見ても、最高点は80点台にとどまる年が多く、全国でトップクラスの実力を持つ受験生でもかなり取りこぼす問題が多いということです。
記述問題で部分点を取りに行くために必要なのは、いかに採点基準となる要素を見極めるか、という点です。塾が与えてくれる、難易度の低い記述は「なんとなくこのあたり」という感覚でどうにかなりますが、それで満足していると東海レベルの記述には太刀打ちできません。日能研偏差値換算60前後の受験生の答案でよく見かけるのは、「その辺りの内容を答えるという方針は正しいが、結局作成者が求めている要素は何一つ満たしていない」という答案です。易しい記述問題で塾側の採点も甘く(これは仕方のない部分もあります)、それなりに点数が取れているので満足していたが、東海の入試問題を解いてみて始めて気づく、あるいは、不合格通知が来てようやく気づく、というようなパターンが多いです。
記述でがんばっても部分点しか期待できない、となると、選択問題や抜き出し問題で点数を拾い集める必要があります。ただ、こちらの難易度もかなり高めになっています。特に選択問題の特徴としては、選択肢の中に正解が一つも考えられないというような問題が出題されます(もちろん、正しく考えれば正解できる問題になっています)。また、最近では、素材文の空欄に当てはまる内容を選ばせる問題が増えてきました。空欄に当てはめる内容を選ぶ問題は、全国的にも出題数が少なく、なかなか対応できない受験生が多いようです。
選択問題について一つアドバイスをするなら、できるものとできないものを見極めること、戦略的に問題を取捨選択していくことです。東海の出題の中でも、「文章を読んだ感想として正しいモノを選ぶ」という問題(複数選択)は難易度が高いため、それなりの解き方と見極め(損切り)が必要です。
東海中学の出題のもう一つの特徴は、自由記述です。
この問題の難易度は、全国的に見てもかなり簡単な部類に入ります。ここの配点が8~10点程度だと思いますが、ここで完答できないと、合格の可能性は著しく下がります。自由記述は、大人から見れば簡単に見えますが、私の経験上、書けない受験生が一定数存在し、しかもなかなか改善されません。自由記述の練習に塾はあまり時間を割いてくれませんので、苦手だと分かったら早めに手を打っておく必要があります。
まとめると、記述力を含めて、難易度が高い問題に対応できるように、それぞれの分野で必要とされる力を効率よく身につける必要があります。
4.特記事項
ここ数年、持っている偏差値と結果との乖離が大きくなっていると感じています。特に、偏差値の足りない状態からの逆転が目立ちます。考えられることは複数あり、①入試問題の難易度が高いため、そこに特化した対策をした受験生が高得点を取れる②算数の偏差値で全体を底上げしている受験生が入試問題に太刀打ちできていない③合格ラインのレベルが下がっている、が挙げられます。
①については、どこの塾の模試もしょせんは模試であり、実際の入試問題でどの程度の点数が取れるかとの相関はあまりない、と感じています。特に東海のような難しい問題に特化した中学の場合には、すべての中学校をターゲットにした模試の問題との違いがかなり大きいと感じています。そのため、特に9月以降の模試の結果は全く気にしていません。高偏差値が取れたところで、入試本番に取れなければ意味がないですし、大失敗したとしても、その原因を分析して本番に活かせばよいだけのことだと思います。
②については、入試は四教科で戦うものであるため、過去問演習をする9月以降は他の科目の点数も気にしています。算数に口出しをすることはありませんが、点数を見ていると、持っている偏差値との差が非常に大きいと感じます。偏差値60程度の合格ラインにいる受験生が、30点台、40点台を取っていることも多いです。そうすると、国語が苦手で算数が得意、全体の偏差値が60程度の受験生は、かなり実際の入試で苦戦しているのではないかと思います。
③については、募集人数が360人に減らされてから10年以上が経過しており、少子化が進んでいることを考えると、受験者数は横ばいであるものの、合格ラインは下がっていると考えるのが自然だと思います。数年以内に募集人数を減らす可能性もあるのではないかと思いますが、今のところは少し合格しやすくなっている(塾が公表するラインより低くても合格できる)と捉えています。